牛に追われる!牛追い祭り(San Fermin)


「全速力で走ってくる牛」に追っかけられた
ことってありますか?


無い方も多いでしょうが、正直、死を意識する恐ろしさです。
子供時代に追っかけられたら、「犬に追っかけられて以来、犬が苦手に
なった」どころの話ではなく、一生牛乳も牛丼もノドを通らなくなるほどの
トラウマになること間違いありません。

軽トラ並みのスピードで爆走する牛たち



そんな衝撃的な体験が出来る祭り、それがスペイン北部パンプローナで
開催される「サン・フェルミン祭」です。サン・フェルミンの目玉行事の
一つとして、牛追い(Encierro=エンシエロ)が開催されます。

細かい点は下にTipsとして記しますが、この祭りの大きなポイントは
下記3点です。

1. ホテルを取るのが非常に難しい、取れても非常に高い

2. 柵の外から見るなら朝6時頃までに、柵の中で走るなら

朝7時半までに会場に到着しておかねばならない


3. ここまで苦労していっても、牛を見れるのはMAXでも10秒

(だって猛スピードですもん)

確かに牛追い自体は凄い迫力なんですが、 
費用対効果という点で 考えれば、こんなに
パフォーマンスの悪いお祭りもそうそう無いと思います。

準備に時間と金をかけても、わずか10秒で終了です。

ただ、このサン・フェルミンは非常に大きなお祭りで、牛追い以外にも
たくさんイベントもあり、屋台も無数に出ていますので、祭りとして
結構普通に楽しめます。
行くのであれば、「牛追い+スペインのお祭りを楽しむ」くらいのゆるい
スタンスで向かった方がよいのではないかと思います。


パエリャやチキンも普通にウマい
 

  • お祭りの概要
名称Fiesta de San Fermin (牛追いは"Encierro")
場所スペイン北部・パンプローナ
日時毎年7月中旬の2週間
最寄の都市パンプローナ
参加費用無料
混雑度死ぬほど混む
こんな人にお勧め猛スピードで走る牛に追われたい方
「あの牛追い祭りに参加した」と自慢したい方
シトラス的お勧め度★★
これだけは見て猛スピードで駆け抜ける牛たち

  • マツヨロTips(牛追いのTipsは別記)
・このお祭りは、とにかく泥棒とスリが多発することで
よく
知られています。

シトラスもこれまで数多くのお祭りに行っていますが、あんなに
被害者の話、または経験者からの注意を聞いたお祭りは、
後にも先にも見たことがありません。
バスターミナル、駅、電車やバスの中、ホテルのロビー、街中、
つまりどこででも24時間で泥棒、スリの被害が多発しています。

パンプローナに着いたら、できればタクシーでホテルまで
直行してください。
そして、貴重品をセーフティボックスに入れて、
街中には絶対に持って行かないようにしましょう。

・バスターミナルや街中にある観光案内所で、お祭りのパンフレットと
「牛追い参加にあたっての注意点」というリーフレットをもらえます。
初参加の人はもらっておきましょう。

・この時期だけ、写真撮影用に牛追いのルートに面した家が
バルコニーを貸し出しています。
写真撮影目的の方は、一度トライしてみてはいかがでしょうか。

「眺めのいいバルコニー貸します」



・サン・フェルミンを含め、この地方(バスク地方)のお祭りでは、
「白い衣装+赤いスカーフ」が正式な衣装となっています。
これを着ていなければ、牛追いにも参加できません。
お土産にもなりますので、1着買ってみることをお勧めします。
街中の屋台でいくらでも買えます。


みんな普通にこの衣装で出歩いてます



・夜も盛り上がっていますが、牛追いに参加するなら早朝に起きねば
ならないので、あまり夜更かししないよう気をつけましょう。 


しかしいつ寝てるんだ、こいつらは


  • 牛追いTips
・毎日午前8時にスタートです。
期間中は毎日開催されています。

・ルートは柵で仕切られ、全員中に入るか外で見るかを選択せねば
なりません。

・午前7時半に、牛追いルートを仕切る柵が閉じられてしまうため、
中に入って牛を追う人は、遅くとも午前7時過ぎまでには会場に
到着しておかねばなりません。
柵の入口は、市庁舎前にあります。

・中に入らない人は、場所取りが激戦なので要注意です。
遅れてしまうと牛はおろか、牛追いの様子さえも見えないので、前日に
下見をした上で、遅くとも午前6時までには着いておくようにしましょう。
撮影の人気スポットは、市庁舎の前かサント・ドミンゴ坂の上です。

サント・ドミンゴ坂(左端が柵の外)


・重要なことを書き忘れていましたが、柵の中に入る人は、安全上の
理由からカメラ類の持込が厳禁されています。
持っているのを警備員に見つかると、有無を言わさず柵の外に
引っ張り出されますので、十分ご注意ください。

・とはいえ、観光客はこっそり持ち込んでいますので、目立たないように
すればほぼ大丈夫です。シトラスも、このページの最上部の写真は
柵の中から撮りました。
ただ、命がけのお祭りですので、写真撮影に気をとられて、
逃げ遅れないよう十分ご注意ください。

  • 実際に牛を追う人へ
・必ず白い衣装+赤いスカーフを着用してください。
(でなければ、そもそも参加できません)

・ルートの最初から最後まで牛に併走するのは不可能ですので、
どこかに陣取って待つことになります。
まず、ルートを確認しておきましょう。



上記1が出走開始地点で、8がゴールの闘牛場です。
陣取りポイントは、大きく分けて4つあります。

1. サント・ドミンゴ坂(1~3)
牛がMAXのスピードでまっすぐ駆け抜けていくので、それほど
危なくない反面、あっという間に終わってしまいます。
牛との交流を楽しみたい方は、スタート時の大合唱のみここで見て、
その後市庁舎前かその先に移動されることをお勧めします。
(なお、安全性を重視する方はこのポイントがお勧めです)

2. 市庁舎前(3, 4)
牛が勢い余って柵に激突したり人を踏み倒したりする、
一番の見どころです。
が、走る方にとっては相当危険な地点です。

3. 最後の直線(4~6)
一番よくテレビで取り上げられるエリアです。
牛たちは市庁舎前で減速し、さらにバラバラになって突っ込んで
くるため、面白さでは一番です。ただ、それだけに人が多く、
また脇に避けられるスペースも無いため、非常に危険です。
なお、このエリアには柵の外からの観覧スペースがほとんど
ありません。

4. 闘牛場前(6,7)
あまり牛を追うことは出来ませんが、牛と一緒に闘牛場に入って、
もれなく素人闘牛に参加できます。(牛が入るとすぐに闘牛場の
入口が閉鎖されます)
ここは本当に危険なので、参加するにしても一度前日以前に
上記1~3のルートで牛追いに慣れておかれることをお勧めします。

これが市庁舎



・上にも書きましたが、カメラ類の持ち込みは厳禁なので、
くれぐれも見つからないよう気をつけてください。


  • 宿
キャパに対して参加者が多すぎるため、
絶望的なまでに予約が困難です。
行くことが決まったら、真っ先にホテルを
押さえておいてください。

>>パンプローナのホテルを探す

>>ヨーロッパのホテルを安く予約する方法

ただ、予約サイトで探すと、街中から相当離れたホテルまで検索
されてしまいますので、検索範囲を絞るなり、地図を見るなりして
必ず街中から歩けるホテルを取るようにしましょう。
(でなければ、朝、牛追いに間に合わない可能性があります)

また、どうしても取れない人には、こんな非常手段もあります。

1. 現地で家を貸している人を探す
祭りの期間中、自分の家を貸している人が結構います。
街中にたくさん張り紙がありますので、それを1枚取って
電話すればOKです。


「部屋貸します」




2. 野宿
バスターミナルの真上が広い公園になっているので、そこで
寝ている人がたくさんいます。
ただ、当然たくさんの泥棒が徘徊してますので、最悪の場合以外は
絶対お勧めしません。



寝てるのか行き倒れてるのか


  • アクセス
飛行機は飛んでますが、イベリア航空の国内線のみです。
>>イベリア航空

また、鉄道も通ってますが、スペインは鉄道網があまり発達
していませんので、利便性はよくありません。

ですので、お金に余裕がある人を除き、大抵の人はビルバオか
マドリッドからバスで向かうことになります。


所要時間は、ビルバオから1時間、マドリーからは4時間程度です。
本数は、ビルバオからは10~20本程度、マドリーからは1日10本程度です。
また、バルセロナからも夜行バスが1日1~2本出ています。

ビルバオは、近年観光客が急増しているため、ロンドンやバルセロナ
など各都市から格安航空会社が飛んでいます。
>>ヨーロッパの格安航空会社
ビルバオ観光と組み合わせて楽しむのもお勧めです。


  • 参考リンク
>>サン・フェルミン祭 公式サイト

>>牛追い祭り出走・見学ガイド

>>スペイン政府観光局 「サン・フェルミン祭」


  • 地図

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