小中学生の頃、運動会で「組み体操」って
やりましたか？
あの人の上に人が重なって、ピラミッドを作るやつです。
子供心にも体に危険が及ぶ可能性が高く、その緊張感とハラハラ感が
演じる側、見る側にとっても大きな魅力でした。
しかし、最近の日本では、その危険性を理由にそもそも実施しない学校が
増えているとかで、学校の安全志向もそこまで来たかという感じです。
まぁ、宿題を忘れた子供を怒っただけでモンスターペアレンツが学校に
押しかけてくる世の中ですから、教職員側も、わざわざリスクを負ってまで
別の意味での緊張感を持ちたくないのかもしれません。
さてそんな危険なほど保守的になりつつある日本の運動会とは対照的に、
100年前から年1回、命がけの超絶的な組み体操をやり続けている
お祭りがあります。
それが、バルセロナの「メルセ」祭りです。
メルセでは様々なイベントが開催されるのですが、「人間の塔」(Castellers)
と呼ばれるこの組み体操が、祭りのハイライトとなっています。
土台となる人々が円陣を組み、その肩の上に次々と人が立ち、 塔を
作っていきます。そして、塔が一定の高さに達した後、子供が最後に頂上に
駆け上がって、ポーズを決めることができれば終了、というルールになっています。
で、この人間の塔、何がすごいかってその高さです。
普通の組み体操は、まぁ人間が四つんばいになったのがせいぜい3段程度
ですが、このお祭りでは、直立した大の大人が6層にも積み上がり、高さは
10メートル以上にもなります。
頂上は建物の3階あたり
容易に想像できる通り、非常に高い技術とチームワークが要求されるため、
大半が途中でグダグダグダって崩れてしまいます。そして、当然命綱などは
何もないので、上層の人は10メートル程一気に落下し、逆に下層の人には
10メートル上空から大の大人が降ってきます。
練習を積んでいるとはいえ、やはり危険なことには変わりが無いため、常にけが人続出で、救急車もすぐそばで待機しています。
ただ、そのあまりの危険性ゆえに、見ている側の緊張感、そして成功した際の
高揚感も尋常ではありません。
簡単に言うと、めちゃくちゃエキサイティングです。
桂枝雀は「笑いは緊張と緩和から生まれる」という名言を残しましたが、
エンターテインメントは緊張の度合いが高いほど、そこから生まれる緩和＝
高揚感は強いという事実を改めて教えてくれる、素晴らしいイベントです。
と、モンスターペアレンツやら枝雀やらと長々と書いた割に大した説明も
できていませんが、まぁとにかく手に汗握るスペクタクルな光景です。
見に行く価値は大いにあります。
ハラハラ感100％の超高層組み体操、お勧めです！！！
- お祭りの概要
| 名称 | La Merce （バルセロナ・メルセ） |
| 場所 | スペイン・バルセロナ （人間の塔はサン・ジャウマ広場） |
| 日時 | 毎年9月21日～24日頃 （人間の塔は毎年9月23日） |
| 最寄りの都市 | スペイン・バルセロナ |
| 参加費用 | 無料 |
| 混雑度 | 激烈に混む |
| こんな人にお勧め | エキサイティングな祭りが好きな方 |
| シトラス的お勧め度 | ★★★★★ |
- マツヨロTips
広場地下）で配布されています。
必ず事前にチェックしましょう。
・最も規模の大きい人間の塔は、サン・ジャウマ広場で開催されます。
昼12時頃から開始ですが、早めに行かなければまともに見れない（人が
多すぎて広場に入れない）ので、遅くとも朝10時までには広場に着いて
おかれることをお勧めします。
・バルセロナの他の場所、またバルセロナ以外のカタルーニャ地方の
各都市でも、人間の塔が開催されています。
運が良ければ他の町でも見れるかもしれません。
・言い忘れていましたが、メルセ祭りは人間の塔以外にも、竜のハリボテ、
いや模型の山車やパレードがあって、なかなか楽しいです。
- 宿
元々観光客の多いバルセロナで一番大きいお祭りなので、
毎年激混みです。
日本の大学生はこの頃まだ休みなので、うっかりこの時期に行ってしまいがちなのですが、ホテル激混み＆激高なので気をつけましょう。
また、旧市街にホテルを取ると、多分爆竹の音で一晩中眠れないので、
できれば新市街（例えばスペイン広場やディアゴナル広場周辺など）に
取るようにしましょう。
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- アクセス
開催されています。
町の中心部なので、簡単にアクセスできます。
- 参考リンク
バルセロナ総合情報サイト Barcelona Essentials
- 地図
大きな地図で見る
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